
マイホームを建てるときは無茶な値引きは要求しない
注文住宅というのは、非常に大きな買い物です。どれだけ安く見積もっても軽く1千万はかかってしまいますし、購入のためにローンなどを利用する必要があります。
そのような状況では、やはり少しでも安くしていただきたいというのが人情というもの。工務店側もそれを理解していて、多少の値引きに対しては応えてくれるようです。
しかし、その好意に甘えすぎてはいけません。あまりにも値引きを要求しすぎると、いろいろと不都合が生じてしまうのです。
いったいどのようなデメリットが生じてしまうのか、この記事で解説していきましょう。
・悪い印象を与えてしまう
値引きを過剰に要求しすぎるといったいどうなるのか。まず考えられるのは、工務店側に対してよくない印象を与えてしまうという点です。工務店側もボランティアで行っているわけではありません。それだけの労力や時間を費やすからこそ、高い価格を要求しているわけです。それを、勝手な都合で値下げされてしまって、工務店はどのように思うでしょうか。心象の悪化は避けられません。
それにも関わらず、あまりにもしつこく値下げを要求すればクレーマーとみなされ、最悪の場合出入り禁止になることも考えられます。
・他業者からの評判も悪くなる
そして、ひとつの業者に対する悪印象は、その他の業者にも波及するおそれがあります。工務店同士は必ずしも敵対しているわけではありません。むしろ積極的に情報交換を行い、互いが利益を得られるよう協力している側面もあります。
そしてもちろん、やっかいなユーザーに関する情報も交換していることでしょう。ひょっとすると、無茶な値引きを持ちかけたあなたのことも知れ渡っているかもしれません。
・デザインの幅が狭くなる
もし、仮に無茶な値引きに対し業者が応えてくれたとしても、その分建てられる住宅にしわ寄せは確実にいきます。
たとえば、住宅のデザインについてです。ユーザーが望むような便利で快適な住宅づくりをしようと思えば思うほど、お金をかけなければなりません。しかし、値引きを行うとなればその分費用はかけられなくなってしまいます。
だから、思い通りのデザインができなくなってしまうのです。せっかく自分の家が建てられる注文住宅で、そのような制限が生じてしまうのはもったいないことではないでしょうか。
・安全性が低くなる
無茶な値引きが悪影響を与えるのは、デザイン性だけではありません。なんとしても値引きを可能とするならば、どうしても材質を安いものに替えなければならないのです。そうなると、当然耐久性が下がってしまいますよね。地震や火事といった災害に対しても、非常に弱くなってしまうのです。
もし、そのような家に住んでいて、災害に見舞われたら……? 強引な値引きが原因で、家族全員が家の下敷きになってしまうといった事態も、あり得るかもしれません。
・アフターサービスが貧弱になる
そのようなことにならないよう、アフターサービスでメンテナンスをちゃんとしてもらえればよいじゃないか、と思われるかもしれません。しかし、定期メンテナンスにもまた、お金はかかってしまうもの。もし無茶な値切りを強行した場合、そのメンテナンスの費用を差し引いた金額となるかもしれません。
また、改築やリフォームの相談にもちゃんと応じてもらえるのか怪しいところです。業者からのあなたの心情は正直言ってかなり悪くなっています。他の業者を探すにしても、よくない評判が伝わってしまっているかもしれません。
住宅を建てる上で値段は確かに気になるもの。しかしそればかりを気にしていては、長く住むことのできる住宅を手に入れることはできません。注文住宅を検討する際は、まとまった支払い計画を事前に用意しておきましょう。くれぐれも、無茶な値引きを要求しないようにしてください。