
実用性とデザイン性、どちらを優先するべき?
注文住宅を建てる際にどのような点を重視するのかというのは、人によって大きく異なります。こだわるべき点というのは大きく分けて「実用性」と「デザイン性」のふたつ。このうちどちらを重視するかで、その住みやすさや機能性といったものは大きく変化していくでしょう。
一生に一軒建てるかどうかの夢のマイホーム。それが自由度の高い注文住宅となればこだわりたいですよね。スタイリッシュな外観、おしゃれなデザインの内装、収納スペースも多く欲しいしユニットバスやキッチンなどの設備にもこだわりたいし夏は涼しく冬は暖かい住環境は譲れない!など注文住宅を建てる際には色々と頭に浮かぶものです。
あれもこれも叶えたい!理想の注文住宅を建てたい!という気持ちは分かりますが、一番の問題は予算です。
理想を追えば追うほど注文住宅の費用は上がるのが現実です。実用性とデザイン性どちらを優先すればいいのかお悩みになる方も多いでしょう。
今回は、実用性とデザイン性、それぞれを重視した住宅にはどのようなメリットデメリットがあるかを比較し、その特性を考察していきます。
実用性重視住宅のメリット
まず、実用性を重視した住宅を選んだ場合、受けられる可能性があるメリットについて考えていきましょう。
まず第一に考えられるのは、実用性を重視した住宅は非常に住みやすいという点です。適度に空間的余裕が設けられているので居心地がよく、家具などの配置もしやすくなっています。また、手すりつきの階段やエレベーターなど高齢者向けのバリアフリーもしっかり考えられているので、二世帯住宅にも適しています。
さらにそれだけではなく、家によっては家族が増えた場合のリフォームも簡単に行えるようになっています。このため、出産を経ての子育てにも向いていると言えるでしょう。
実用性を重視した住宅のよさを率直に言うなれば、「家に人が合わせてくれる」といったところでしょう。これに加えて素材や工法によって災害対策を行えば、申し分ありません。
デメリット
とはいえ、実用性を重視した住宅には、いくつかのデメリットもあります。それは見た目が平凡になりがちなので、あまり面白味が期待できないという点です。実用性を重視した住宅は周囲の家と同じデザインである場合も多く、個性を気にする方にとっては大きなマイナスポイントとなりかねません。
これがもっとも大きく影響すると考えられるのは。喫茶店やお花屋など店舗を運営する場合です。没個性的なデザインの店構えでは、集客にもあまりよい影響を及ぼしません。お店の場所がお客さんから見つけられにくかったり、パッと見ただけで「なんだかつまらなさそうなお店だな」とネガティブな印象をもたれてしまうことだって考えられます。
デザイン性メリット
もう一方、デザイン性を重視した住宅には、どのようなメリットの享受が考えられるでしょうか。
デザイン性住宅のよい点は見た目のよさ。ですので、それに関連したポジティブな効果が期待できます。たとえば、周囲の家と比較してユニーク性が高いので「特別な家に住んでいる」という気分が味わえるので、その住宅で暮らしていくことが楽しくなるでしょう。
また、周囲からもよい意味で目立つので、存在を覚えてもらいやすくなります。これは店舗運営においては大きなメリットとなるでしょう。見た目のよい店はそれだけで客足を引き寄せる要因になり得ますし、駅から離れていても見つけられやすいです。それに加え、非常に質の高いデザインであれば、その街の名所、すなわち「ランドマーク」となり、無くてはならない存在となることも期待できます。そうなれば、店舗運営において大きな利益を見込めるでしょう。
デメリット
ですがその分、デザイン性の高い住宅は実用性に欠ける場合が多いです。構造上見た目を重視しなければならないので、住みやすさにおいてはどうしても犠牲になってしまいます。人が家に合わせる形で住んでいかなければなりません。
また、リフォームや増改築の面においてもマイナスです。デザイン性の高い住宅はそれだけですでに完成されている状態なので、そこに何かを加えるとなるとかなり骨が折れます。新しい空間を設けるということも一苦労ですし、仮にそれができたとしてもデザイン性が損なわれてしまいます。一般的な家庭、特に子どもの多い家族や二世帯での居住には、少々向いていないと言えるかもしれません。それに加え、地震をはじめとする災害に弱い場合も多いです。
このような特徴を考えた上で結論づければ、リフォームを前提とする居住を目的とした場合は実用性、店舗運営を行うのであればデザイン性を重視した方がよいと言えるでしょう。ご自身がその住宅で何をしたいのかを考えた上で、慎重にお選びください。